漢方のご案内
初診時のみ完全予約制となっております。
詳しくは当院までお問い合わせください。
0564-62-5225
また、事前に問診票をダウンロード印刷またはWEB問診で作成していただきます。ダウンロードして記入された場合は当日に持参いただき、WEB問診で入力された場合には当日受付にその旨をお伝えください。
- 初診時必要書類(漢方治療)
[PDF](378KB) - WEB問診
ステキ!漢方
1.漢方って何がいいの?
西洋医学
レントゲンや血液検査など、最新の医療機器を用いた検査の結果をもとに、診断をします。そして頭痛なら鎮痛剤、肺炎なら抗生物質、胃潰瘍なら制酸剤と、いわばピンポイント攻撃、もぐら叩きの如く、その症状を抑えるくすりを飲みます。急性病、感染症、生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症…)はこちらが適しています。
漢方医学
病気は身体が本来の調和を失ったときに起こると考えられて、診断はバランスを崩してしまったところを探します。
心身を癒しながらバランスを考える。「そしてバランスがプラス(陽)に偏っているならそれを引き下ろすものを、マイナス(陰)に偏っているのならそれを引き上げる薬を、それぞれの患者さんの体質にあったものを処方します。まあ、イコライザーの端子が無数にあり、それらを全てニュートラルに戻して全体的なバランスを中庸にもっていくものが漢方と思っていただいても良いかも知れません。
2.「医者からは気のせいと言われ…」…よくありますよね
「いろんな症状があっても、検査では全く異常がない」
「医者からは気のせいと言われ…」
…よくありますよね
「朝、なんとなく元気が出ない」「仕事に根気や集中力が沸かない」「頭痛、動悸やめまいがひどくて動けなくなる」「手足など、体にだるさを感じる」と言う自覚症状があっても、レントゲン検査や血液検査・心電図などの検査で、何も異常が発見されないこともあります。こういった、検査結果では異常が発見できない自覚症状を改善していくのに、漢方治療は非常に適しています
3.あなただけのオーダーメイド治療
診察は症状と関係ないことを聞いたり(たとえば、頭が痛いといっているのに、便秘気味ですか、冷え性ですか…などなど)、おなかは痛くないのに腹を触ったり、舌を見たりと、うんっ?と思われるかもしれませんが、これはあなたの体質を調べ、体のバランスを崩しているところはどこかを見極めているのです。そしてあなたに最も適したお薬を処方します。例えば鎮痛剤は、「痛ければ」その体格、暑がり寒がり、胃腸の丈夫さ、などに拘わらず誰でも一緒ですね。ところが漢方の場合には100種類以上の中からあなたにぴったりのものをお出しいたします。ちょっと優越感っ…・悪くないでしょ?
4.漢方薬を飲んだことがあるけど、効きませんでしたが…
漢方薬を処方する医師は最近急増していますが、漢方専門医はまだまだ少なく、多くの医師は西洋医学の感覚で漢方薬を「症状」で選んでだしています。本来の漢方治療では意外と思われるでしょうが、頭痛ならこの薬、めまいならこの薬というように「症状」で薬を決めるわけではありません。
例えば、病気に対して闘える基礎体力は、胃腸は丈夫か、暑がりか寒がりか、のどの乾きは、汗をかきやすいか、大便や小便はどうか、食欲はどうか、300種もの質問から患者さまの体質を診断して、更には顔色、話し方、声の力強さ、舌の所見、おなかや脈を触った感触、ベテランになると直感的に感じる“第六感”などなど、症状とは関係がなさそうに見えることまで含めたおびただしい数の情報を有機的に総合判断したうえで、患者さんを漢方独特の概念で分類し(これを、“証”と呼びます)薬を使い分けるのです。ですから、証が合わないのに飲んでも効くはずはありません。
ホンマもんの漢方医は…
「症状と関係なさそうなことをいっぱい聞いてくる」
「舌を見る、脈を触れる、お腹を触る」
漢方Q&A
漢方薬と西洋薬を併用しても大丈夫ですか?
通常は問題ありません。西洋薬の副作用を軽減するために漢方薬を用いたり、漢方薬が効いてくるまで西洋薬を併用したり、併用によって治療がよりうまくいく場合も多いのです。症状が強いものだけに対して西洋薬を使い、マイルドな症状には漢方を用いたりします。
漢方薬って、とっても苦いでしょ?
意外に苦いモノは少ないです 漢方のエキス剤は約150種類ありますが、このなかで本当に苦いものは比較的少ないのです。御心配ありません。処方する前に「苦いですよ」とお伝えします。みなさん、シロップやハチミツを入れたりオブラートに包んだりと、工夫して飲まれています。また、体に合っているものなら不思議と苦味も感じなくなるものです。体が要求している場合それほど苦にならないものです。無性に「いつもは食べたくない酢の物が急にほしくなること」ってあるでしょ? それと同じです。
どんな病気に効くのですか。
西洋医学でまだ決め手となる治療法がない病気、西洋医学的な治療では副作用などのために治療に耐えられない場合など今までの、西洋薬では今いち効きが悪い場合更年期障害、自律神経失調、慢性関節リウマチ、気管支喘息アトピー性皮膚炎、慢性肝炎、冷え性、胃腸虚弱、慢性膀胱炎、生理痛、腰痛・頭痛・肩こり・膝痛が目立ちます。
漢方で何でも治せてしまうの?
いいえっ! もちろん苦手分野もあります。
高血圧、高コレステロール、糖尿病などの生活習慣病
肺炎、腎盂腎炎などの感染症
脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などの急性期疾患
確実に血圧や血糖を下げる漢方薬はありません。次に肺炎や腎盂腎炎などの重い細菌感染症。抗生剤にかなう漢方薬はないと思います。また、脳梗塞や心筋梗塞。発作後間もない時期には、漢方が使われる機会は非常に少ないでしょう。
なお初診時の問診表に「できるだけ漢方薬だけの治療を希望する」「できるだけ西洋医学の薬だけの治療を希望する」「組み合わせた治療を希望する」「鍼灸を取り入れて欲しい」などの希望を記入してください。ご希望に沿う治療方針とさせていただきます。
漢方薬は値段が高くつくと聞きますが…
ゼンゼン高くありません!当院では漢方治療も保険診療で行っていますので、そのような心配はご無用です。漢方薬と西洋薬とを比べれば、漢方薬のほうがずっと安い場合がほとんどです。薬代だけいうと、生薬の種類にもよりますが平均5000円程度です。これを街中の漢方薬局や自費での医療機関にかかると、その支払がウン万円になるのです。これが毎月となると結構な出費ですよね。「お金が高くて・・」「漢方を保険でやってくれると聞いて…」と、当院に来院される患者さまも結構いらっしゃるくらいです。
漢方薬に副作用はないのですか?
漢方薬は副作用が無いからいい」と思っておられる方が圧倒的に多いと思いますが、残念ながら漢方薬も生薬ですから、まれですが副作用がありえます。
たとえば食欲がなくなったり、おなかがもたれたり、下痢気味になったり、皮膚がカユいなどは稀にみられます。また、甘草(かんぞう)という生薬に含まれるグリチルリチンという成分のために、血清中のカリウムの値が下がり、浮腫んで、血圧が上昇する、などの副作用が現れることがたまにあります。甘草は多くの漢方薬に配合されているだけでなく、仁丹や調味料などにも使われているため、知らぬ間に大量の甘草を服用する結果になっていることがありうるのです。
これらの副作用は西洋薬のそれに比べれば軽いですし、西洋薬と異なり服用を中止すればすぐに治ります。また漢方薬が原因とみられる肝障害、間質性肺炎などの重い副作用もとっても稀ではありますが、報告があります。
友人に勧められた漢方薬を出してもらえますか?
それが、あなたに適した漢方薬であれば喜んで処方いたしますが、ただ、“〜にいいと聞いたから飲んでみたい”というだけで、おだしすることはできません。西洋薬では決してそのような事はなさらないですよね? 漢方薬も生薬というクスリですから、それと同じです。
それに、漢方薬はオーダーメイドの服のようなもので、患者さんに合わせて処方するものだ、ということです。服なら似合わないで済みますが、薬ですから、副作用が出てしまい具合が悪くなることもありえます。ですから、他人の薬をもらって服用したり、自分の薬を他人に勧めたりは決してしないで頂きたいのです。
やはり、漢方薬は長く飲まないと効かないのですか?
そんなことはありません!漢方に対してもっとも誤解されているハナシのひとつですね。かぜなどの急性期疾患ではたった一服飲んだだけで、スーッと良くなる場合がよくあります。いちど漢方薬の切れ味を体験すると普通の西洋薬の風邪薬などかったるくて飲めませんよ。ちなみに私は、漢方を始めてから風邪で漢方薬以外を飲んだ事は一度もありません。
また、ひき始めで飲んで2日以上続けて飲んだことがありません。それほど早く良く効くのです。痛みや吐き気やめまいなど急な症状な場合でもそのようなことはよくあります。確かに、冷えや胃腸虚弱などの体質改善では数ヶ月間のまないと効果ははっきりと現れませんが、そのような場合でも基本的には何らかの手ごたえは少なくとも服用後2週間以内には出てくることが多いです。
なんでもかんでも漢方は長く飲まないと効かないという人がいたら、それは全く漢方を理解していないか、やぶ医者ですからやめたほうが賢明です。前医で何ヶ月も漢方を飲んでいるの全く変わらないので、疑問に思って尋ねたところ、「漢方はそうすぐには効かないから」と言われたけど、・・当院に来院される方もみえますが、全くとんでもない話です。ただ単にくすりが合っていないだけなのです。
街中の薬局と病院でもらう漢方薬って何が違うの?
まず値段が高い。街中の薬局の漢方薬は、医療保険が利かないので値段が非常に高い。煎じくすりなら尚更そうである。
そして効きが悪いことが多い。ドラッグストアに置いてあるような誰でも買うことのできる漢方薬は、安全性を高めるため、薬の濃度を薄めてあるので効きが悪い。例えば葛根湯!…生薬の質がかなり違い、しかも有効成分は医療用の半分以下らしい。当院でもらった葛根湯を飲んで、こんなに効くとは思わなかった!似て非なるもの・・という話はよく聞く。わたしも風邪の時、これを実際に飲んでみたが、規定の3倍量を飲まないと効果がなかったという経験がある。また重大な病気を見逃すことが充分ありうる。
我々は医者ですが、漢方薬局の先生は薬剤師ですから病気の診断ができません。奥に「がん」「心臓病」「脳卒中」の様な重大な病気が隠れていても分かりません。現在は江戸時代ではないのですから、西洋医学でないと治すことができない病気を見逃すなんてことは許されません。ですから、病院に行ってきちんと診断をうけた上であれば、また単に虚弱体質や冷え性を治したいという場合ならば、街中の薬局でも大きな問題は無いですが…。
漢方薬って、粉薬と煎じ薬とは、どう違うの?
煎じ薬は、植物などの根っこ、茎、花びらなどの生薬をそのまま水で、ぐつぐつ煮て飲むお薬のことで、本格的な漢方薬です。
一方、粉薬はエキス剤ともいわれ、煎じ薬で出来上がったエキスのみを抽出して粉薬にしたものです。簡便性では、煎じる手間が無く、どこでも服用できるエキス剤に軍配が上がりますが、効力では煎じ薬の方が数段上です。よく比喩されるのが、エキス剤はインスタントコーヒーで煎じ薬は本格的なドリップコーヒーであるといわれます。
また、エキス剤は出来合いなので、薬を何か抜いたり、加えたりなどのオプション応用が効かなく、煎じ薬はそれが可能であるため、本当の意味でのオーダーメイドといえます。両方ともにほとんどが保険適応になっていますので、それほどお値段は変わらず、このため、煎じ薬は高いというイメージがあるかと思いますが、モノによってはエキス剤の方が高くつくこともあるくらいです。
漢方の師匠
私には、二人の漢方の師匠がいます。
山田光胤先生は、すでに故人となられてしまいましたが、日本を代表する漢方界の重鎮であられて、知らない人はいないほど御高名な先生でした。また、漢方界のオールスターが勢揃いする東京の金匱会診療所の所長をされていた頃に、そちらで毎月研修をさせていただいていました。
織部和宏先生は、わたしを漢方の世界に導いてくださった先生で、先生との出会いがなければ決していまの私はありません。九州で御開業されているのですが、日本東洋医学会評議員などの要職も兼任されていて、講演会にも引っ張りだこで全国を飛び回られており、全国的にもかなり有名な先生です。
漢方に精通してみえることは勿論ですが、これを現代医学的に運用したりと、漢方を縦横無尽にお使いになられるスーパーマンのような先生です。
数年前まで先生のクリニックで毎月研修させていただいていました。