やまざきクリニックからのお知らせ
からだを変える 心を変える 生活を変える
アトピーは単純に皮膚が過敏な為だけにおこる病気ではありません。からだの内側の異常が皮膚に現れただけなのです。
アトピーの理想的な治療としてはスキンケアをして塗り薬でアトピーを悪くする最大原因であるカユミを抑えて湿疹の悪化を防ぐと供にアレルギーを惹き起こす体質を食生活を中心にして生活そのものを見直す事と漢方薬でカラダの歪を治していくことであろうと思います。ですからステロイドだけを漫然と塗っていても、かゆみに対する対処療法ですからその時はよくても徐々に効かなくなり更に強い薬が必要となり、終いには止めたときの死ぬほど苦しいリバウンドに脂汗を垂らしながら苦しみ、遂には皮膚はボロボロガサガサ、象の皮膚のように分厚く見苦しくなるだけです。
全くステロイドというモノは麻薬みたいなクスリなのです。正しく使えて、副作用が無ければ素晴らしい薬なのですが…。ただただステロイドを渡して「これ塗っておいて」としか言わない医者が、ステロイド被害者を増やしてしまうのです。ステロイドも正しく使えば、すばらしい薬で、リバウンドなどで世間で評されているほど決して恐がる必要の無いお薬です。
その使用方法は来院時にお話するとしまして、アトピーを改善して再発悪化させないためには重要な以下に述べる3つの事のお話をします。
一つ目はカラダを変えることです。つまり、からだの基本である毎日の食生活を中心とする生活そのものをもっと見直し、養生していき、アトピーが悪くならないようにしていくことです。好きな物を好きなだけ食べている無知なる不摂生による体の冷え、むくみが原因になっていることがいかに多いことか。
からだの冷えとは、冷え症とかのそれとはニュアンスが少し違います。要するにカラダの新陳代謝の低下です。
触って冷たいとかでなくて、内臓の働きが低下してからだの中が底冷えしているのです。からだを温めてやり水はけを良くする漢方薬でよくなる人が多いことはこの事実を如実に物語っています。知らないということは恐いことです。胃腸虚弱や冷え症のひとはそれなりに色々と気をつけて養生しているのに内部の体質異常であるアトピーだけがそれらを無視して養生せずに食べたい物を食べ、やりたいようにやってよくなるはずがないのです。食養生無くしてアトピーの改善はありえません!
次に心を変えることです。情緒が発達する思春期以降のアトピーにはとても重要な問題です。ある意味ではアトピーによる湿疹は心の窓だと思います。ストレスは確実にアトピーを悪化させます。中高生では試験前或いは家庭内のイザコザなどで、成人期には就職進学結婚などで悪化することが多いですよね。ストレスというのは何もイライラすることだけではありません。イライラ以外にも心配しすぎ、くよくよしすぎ、強い怒り、感情面以外にも不規則な生活、睡眠不足など生活環境面でからだがキツく思うようなことは全てストレスです。心でそれを感じなくてもからだは感じているということは多くありますので、自分自身がストレスが無いと思っていても生活に無理がないかどうか生活全般を見渡してみることが必要です。
とはいうものの、現代はストレス社会でこれから逃れて生活することは難しくなってきています。怒り、イライラ、心配などのnegativeな感情は感じ始めたところでコントロールする必要があります。これに火がつくとカユミがひどくなってくるはずです。ですからいきなりはできないでしょうが、こだわらない、許す、あきらめる、きちんとしすぎない、いい加減にをモットーに心の持ち方を変えていく必要があります。
3つめは、生活を変えることです。早寝早起きして、太陽の光を浴びて気を補い、そして運動して汗をかき水分代謝を正常化することです。アトピーの患者さんは汗が出にくい人が、つまり「皮膚呼吸の自律神経失調」があることが多いのです。つまり暑いときでも汗腺を開き、内にこもった熱と水分やからだに溜まった毒素を汗として外に出すことができないのです。暑さ・寒さ・湿気・乾燥に応じて行われるべき適切な皮膚呼吸機能が失調しているのです。その結果として皮下に熱と湿気がこもりカユくなるのです。
アトピーがひどくなると湿疹が赤く、熱をもった、むくんだ感じになることがありますよね?それがこの状態なのです。なぜこんなことになっていまったのか?それは快適な環境で生活をして汗をかくことが少なくなったためで、皮膚がその働きを怠けてしまっているのです。夏は冷房、冬は暖房と皮膚はいつも快適な温度・湿度で皮膚呼吸をする必要がないのですから…。これに加えて冷たいものやカラダを冷やすことばかりしていてはからだに水は貯まる一方です。アトピーで花粉症もある方は一様に少しからだが浮腫んだ感じがする方が多いのも東洋医学的には「水毒」という状態で体内で溢れかえった水分が外気の冷気で一気に鼻から溢れ出した状態なのです。
運動をして体全体の新陳代謝を活発にして、心の穏やかさを示す自律神経をのびやかにして皮下にこもりがちな熱と湿をいつもスカッと出しておいたほうが良いのです。忙しくて暇がないという場合でもせめて朝30分早く起きて、朝日を浴びて深呼吸しながら十分に気を取り入れラジオ体操くらいはして、からだの代謝を高めて毒素がたまらないようにするといいかと思います。アトピーは飽食(食べ過ぎ)と運動不足の生活習慣病でもあるのです。アレルギーの面ばかりが強調していわれていますが、ダニやダスト、食物アレルギーが関与しているのは子供のアトピーの一部だけで、成人型ではその殆んどが生活養生不足と運動不足が原因です。運動せずしてアトピーの改善はありえません。